2009年04月29日

<CD-R>角森隆浩 他『AH~どっこいしょ祭り 5th ANNIVERSARY』

もはやすっかり毎春恒例となったイベント『AH~どっこいしょ祭り』。
その5周年を記念して、出演者全員参加のシングルCD-Rが発表された。

「ラブリー先生~わたしを甲子園に連れてって!」「夜のどっこいしょディスコ」と、各曲のタイトルからして一筋縄ではいかない雰囲気だが、音楽性も極めて高く、充実の2曲になっている。

正統派のポップなシンガーソングライターであるイメージの強い女性陣2名だが、「ツリーと一緒だから…」というのを言い訳に思い切り好き勝手にやってしまっているのが感じられる非常に楽しい作品だ。

ライブ当日の限定販売と告知されていたが、辻香織のブログでは「好評につき増産決定、今後ライブ会場にて販売します」とのことなので、イベントに来られなかった方も入手出来る可能性がありそうだ。

参加メンバーのブログにも書かれているが、2曲とも1日のみのスタジオ入りで作詞作曲から演奏まで仕上げた作品だが、完成度は非常に高い。

「ラブリー先生」は、辻香織のキュートなロリータボイスと、東川亜希子のエキセントリックなボーカルで、「ラブリー先生、ラブリー先輩、ラブリー後輩」と「ラブリー」を連発するボーカルパートも強烈だが、カントリー風の小宮山聖のギター、ファンキーな東川のピアノ、唐突に「50週〜、60週〜」とヨーデル風の不気味なコーラスでオイシイところをかっさらう角森隆浩と、全員の個性が全開の名曲だ。

「どっこいしょディスコ」ではイントロから東川のピアノの低音が往年のディスコサウンド風のベース音を見事に表現。
このメンバーのパブリックイメージからは思いもつかないファンキーナンバー。
角森の「ソ〜ウルどっこいしょ」「ウッ、ハッ」といった魅惑の低音シャウトが不気味だが、参加者全員のスタジオでの異様なテンションが伝わってくる。

『どっこいしょ祭り』終演後に角森は「これは『福耳』みたいなものよ」と、語っていたが、本当に「福耳」の様にきちんとユニット名を決めマイペースで作品を発表するのもありだろう。


ハミングス、nino trinca、ソロ、ダイナミックオーシャンズとして、数々の作品を発表している角森だが、今回の『どっこいしょCD-R』ほど彼の音楽嗜好がストレートに反映された作品もないのではないのだろうか。

ハミングス、nino trincaでは作詞とボーカリスト、パフォーマーに特化した存在感だった。
特にnino trincaは、上田禎という稀代の作曲家の紡ぐメロディや、HONZI、鹿島達也、CHACOといったスーパープレイヤー達が、角森の強烈な個性に拮抗するスリルが魅力のバンドだが、ボーカリストである角森が、サウンド面に介入することは殆どなかったのではないだろうか。

一方、『VIVA!DYNAMIC』は、元BL.WALTZの小西昭次郎にサウンドプロデュースを委ね、普段のダイナミックオーシャンズのアヴァンギャルドなパフォーマンスをあえて封印したかのようなポップ作品として世に送り出された。

ソロでリリースした『角森隆浩 vol.1,2』は、idehof&HONZI夫妻宅にてアットホームなムードで録音された名盤だが、ソロのライブでの破天荒な勢いはあまり感じられず、お行儀良くまとまっている感じも受ける。

今回の『どっこいしょCD-R』では、「ソングライティングよりもムードメイクに徹した」と語っていた角森だが、『オゲレツ365日』で時々吐露されるアメリカンルーツミュージックへの深い造詣や、最近のブームであるソウルミュージックなど、角森の個人的指向がストレートに反映されている。
また、1日という短いレコーディング期間が良い方に作用し、ライブの勢いがそのまま封じ込められたかの様な凄まじいテンションのサウンドに仕上がっている。
「ムードメイク」にとどまらず、サウンドプロデュースまで踏み込んだ、角森史上画期的な作品なのではないだろうか。


 角森隆浩ブログ『オゲレツ365日』 - http://tsunomori.seesaa.net/
タグ:角森隆浩
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2008年11月17日

nino trinca『HONZI LOVE CONNECTION』08.10.28 at 吉祥寺 Star Pine's CAfe

出演:角森隆浩(ヴォーカル),上田禎(ピアノ),CHACO(ドラム),鹿島達也(ベース),清水ひろたか(ギター),Alan Patton(アコーディオン),Yassy(トロンボーン),松本健一(サックス),HONZI

共演:沖祐市,鈴木亜紀,熊坂義人,スパン子,原田郁子,みっち。,三代目魚武濱田茂夫,リクオ,柏原譲,茂木欣一

 セットリスト
1 The absurd standstill(滑稽な足踏み)
2 Le Cabaret Milan
3 冬の光
4 L'Auto Inglese
5 Shanghai
6 Circus Midget Parede


・2年ぶりのニーノトリンカ
 2006年10月以来のライブ。
 日本を代表するプレイヤー達をバックに、天才角森隆浩が美しく歌い上げ、下品にしゃべりまくるスーパーバンド。
 各メンバー多忙を極め、活動休止状態が続いていたが、HONZI追悼イベントの為に、松本健一加入以後初となる全員集合。
 30分に満たないあまりにも短い演奏時間ながらも、圧倒的な演奏力と存在感で、大物共演者を凌駕する存在感を発揮。
 ブランクをまったく感じさせない名演を披露。

・滑稽な足踏み
 HONZIの代表的インスト曲からスタート。
 1stアルバムにも収録されている通り、nino trincaでこの曲と言えば、角森のオゲレツMCが炸裂する脅威の曲であり、ステージ前に集結したコアなファン達の間に緊張が走るが、HONZI追悼イベントのトップバッターとあって神妙な気持ちになっているのか常識的な挨拶で終了。
 「おんぶユニオン」「人間だもの、ヒューマンだもの」といった伝説的MCを産み、CDには「寝ている間に陰毛むしり取り」という最悪のライブテイクが収録された名曲。
 CDではバラードに挟まれていて完全に流れをブチ壊すインパクトで、収録された事自体おおいに疑問だったが、角森によると「レーベルの意向による収録」との事。

・キャバレー・ミラノ
 上田禎によるカウントダウンで始まるおなじみの超名曲で、ステージ上も観客もいきなり最高潮に。
 HONZIの不在を力技でかき消そうとするかの様な松本とYassyの大音量ホーンに負けじと、力みまくりながらもオーバーアクションで熱唱する角森。
 幻想的な歌詞と緻密かつパワフルな演奏で、nino trincaの真骨頂を見せつける。

・冬の光
 今回最大のサプライズ選曲。
 未CD化の名バラード。
 上田の繊細なピアノと、Yassyの叙情的なトロンボーンが印象的。
 ソロやダイナミックオーシャンズではなかなか見る事のできない、まるでシャンソン歌手のような角森の歌と振舞いがこのバンドならでは。

・サーカス・ミゼット・パレード
 nino trincaだけだなく、メトローマンスホテルでも演奏される事の多かったHONZI作の名インスト。
 HONZIを罵倒し、なぜかコサックダンスを踊り(メロディがロシア風?)、オモチャ笛を吹きまくる角森のパフォーマンスが凄まじい。

・角森語録
 「HONZIは酔うととってもチャーミング。ファミレスで打ち上げが終わるとHONZIのポケットからは食塩や爪楊枝が」
 「今日はきっとHONZIもやってきて皆さんの事を見てるでしょう。ただし、彼女は時間に間に合ったことがない。まだ、来てないと思います」



 「オゲレツ」を極める角森のソロやダイナミックオーシャンズと、nino trincaではまったく違う世界のように思えるが、実は一貫した核と言えるものも確実に存在する。
 角森は「ライバルは徳永英明」とMCでよく発言しているが、バラードシンガーとしての実力はソロでもnino trincaでも存分に発揮しているし、美しい歌の直後に卑劣なお喋りで築き上げた世界を一瞬にして破壊する芸(というよりも芸術の領域)も共通している。

 孤独感や現状肯定、ここではないどこかへの憧れ、といった様々なテーマで創られる歌詞も、表現法が違えど矛盾してはいない。

 今回も演奏された「Le Cabaret Milan」の歌詞に至っては、ソロやダイナミックでの活動までも貫く基本方針とさえ思えてくる。
 「闇の中何もかもが輝いている」「狂わせてよ、もっと悪魔のように」このような言葉は我々ファンの角森に対する期待と願望そのものであり、角森はそれに見事に答え続けているのだ。
 「浮かれ騒ぐイタリア」を「東京」に、「キャバレーミラノ」を「lete」や「7thフロア」に置き換えてみれば、角森がこの曲で提示した世界は完全に実現していると言えるだろう。

 今回は演奏されなかった「Venice」の「どこまでゆくの?」「遠いところさ、この世の果てへ連れて行ってあげる」も同様だ。
 nino trincaとダイナミックオーシャンズでは「遠いところ」の方向が違うだけで、前人未到の地を進んでいるのは間違いない。

 時に耽美的ですらあるnino trincaと「オゲレツ」なソロやダイナミック、これらが両輪となってあまりにも幅広い角森ワールドを構成しているのが理想なだけに、nino trincaの長すぎるブランクは悔やまれる。

 最重要メンバーであるHONZIの死去を経てやっとライブができた、というのが本当に悔しいのだ。
 各メンバーの事情というのもあっただろうが、nino trincaが決して広範な支持を得ていたわけではない、という事実も大きいだろう。
 このような極めて高い音楽性と豊穣な世界観を持ったバンドを、育て支持しきれなかった21世紀初頭の音楽産業、マスコミ、そして我々リスナーの責任はあまりにも大きい。

 空前の経済危機といわれる現在の世界で、何が起きても心の拠り所となるものとして、音楽は重要性を増すだろう。
 ソロやダイナミックよりも普遍的な表現の多いnino trincaは、より多くの人の心に届く可能性を持っていると思う。
 本格的な活動再開を切に願う。

  nino trinca HP-http://ninotrinca.com/ (11月17日午前11時現在アクセス出来なくなっています…)

  角森隆浩ブログ-http://tsunomori.seesaa.net/
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2008年07月16日

<iTunes>角森隆浩withダイナミックオーシャンズ『鼻毛無情-EP』

※iTunes Storeに投稿したユーザーレビューより転載です。
 当ブログを愛読してくれる方には聞き飽きた説明ばかりだと思われます。
 何はともあれダウンロードよろしく。
 どうなった?アルバムタイトル問題。「女子中高生」結構イイと思うけど…。



 ヨーロピアンテイストあふれる楽団「nino trinca」で、ロマンチックなヴォーカル&リリックを披露し、高い評価を得た鬼才角森隆浩が、「オゲレツ」をキーワードにソロ活動を開始。
 バンドのお手伝いの女性やそのお友達を巻き込み結成したお笑いハワイアン(?)バンド、ダイナミックオーシャンズが待望の音源リリース!

 角森の汗がほとばしりメガネが飛ぶハイテンションな歌唱&アクションと、女性メンバーたちの、弾けないピアノをかき鳴らす、ライブ中にメールチェック、気が向かないとコーラスをしない、バトン(リレーじゃなくてチアガールが持ってる方)を振り回し客席を闊歩等、常識を超えたパフォーマンスが、中毒患者としか言いようのないファンを量産。
 ホームグラウンドとする渋谷や下北沢のライブハウスに、常に爆笑の渦を巻き起こす。

 メンバーは以下の4名。いろいろ担当楽器を書いてあるがこの音源では女性陣はほぼコーラスのみの参加。
   角森隆浩(ヴォーカル、ウクレレ、作詞、作曲)
   ともみ☆ダイナミック(ウクレレ、コーラス、ピアニカ、ピアノ)
   のんこ☆ダイナミック(ウクレレ、コーラス)
   まい☆ダイナミック(コーラス、シェイカー、カズー、バトン、その他オモチャ、今後「エアギター」導入予定)
 他に、フィッシュマンズ、メトロファルス等で活躍した伝説の女性ヴァイオリニスト故HONZIが、HONZI☆ダイナミックとしてサポート参加、狂気の口琴プレイや美しすぎるヴァイオリンを披露したことも…。

 今回のレコーディングにあたって、プロデューサーに元BL.WALTZの小西昭次郎を迎え、ほぼウクレレのみで演奏されていた楽曲達を再構築。
 「鼻毛」「水子」といった非常識な歌詞を連呼するアヴァンギャルドな楽曲が、ポップに生まれ変わった。

 今回の「鼻毛EP」リリースで、アンダーグラウンドから白日の下に晒されることになったダイナミックオーシャンズの音楽。
 その脅威の全貌は8月27日リリース予定のミニアルバムにて完全披露。乞うご期待!
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2008年07月14日

<ニュース>ダイナミック音源配信開始!

iTunesにて、角森隆浩withダイナミックオーシャンズの「鼻毛無情ep」が配信開始!

ここではおなじみの「鼻毛無情」「仁義なき痴漢電車」「俺はプレイボーイだ!」の3曲を、ポップなロックサウンドに乗せて、ついに公開。

ライブそのままの、角森の下品なシャウトと狂った歌詞、女性陣のエキセントリックなコーラスが楽しめ、これだけ笑えて450円は安い!

このブログで角森やダイナミックを知った方も、ぜひ試聴だけでもしてほしい。
こんな音楽が本当に存在することを知ってほしい。

詳細は近日レビュー予定。

  オゲレツ365日
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2008年07月03日

<ライブレポ>ヨタロウ with メトローマンスホテル 08.06.12 at 7th floor

出演:伊藤ヨタロウ(ヴォーカル)、Alan Patton(アコーディオン,サックス,ヴォーカル)、岩原智(チューバ)、Chaco(ドラム)、斉藤トオル(ピアノ、マンドリン)、多田葉子(サックス,クラリネット、ティンホイッスル)
共演:西尾賢ソボブキ、深深

 セットリスト
01 Passacaglia
02 スリ傷boy
03 菊珠丸の唄
04 犬
05 レーニンの三輪車
06 愚かなる者に降る雨は
07 El Borracho
08 薔薇より赤い心臓の歌
 アンコール
01 フィエスタ

・第二期スタート
 活動開始から約7年目にして、ようやくファーストアルバムを完成させたメトローマンスホテル(一般発売は諸事情により7月23日に延期)。
 最近は、ワンマンや大阪公演も含めて月一回のペースでライブを行い、活発な活動ぶりだが、バンドサウンドは急速な進化を始めた模様。
 アルバムで聴けるのはHONZI存命中のライブ音源が中心で、シンプルなバックにHONZIのヴァイオリンとAlanのサックスのフリーキーなフレーズが要となるサウンドだった。
 それに対して今回のライブでは、こまっちゃクレズマ等ジャズ畑で活躍する女性サックスプレイヤー多田葉子の加入で一変。
 多田のサックスとChacoのドラムがパワフルな音を次々と繰り出し、分厚い音圧で圧倒するスタイルに。
 Chacoのドラムも、アルバムで聴けたのはパーカッション的とも言えるシンプルな演奏だったが、epochやnino trincaで聴ける手数も多く迫力のあるスタイルに変化が見られた。
 アンコールの「フィエスタ」では、斉藤のファンキーなピアノが際立ち、Chacoのパワフルなドラムとの相乗効果で、ニューオリンズ風マーチに進化。
 もともとはメトロファルスの楽曲だが、メンバーの個性を生かしアレンジの違いが鮮明になった。

・次回はvs山田晃士
 次回ライブは7月13日渋谷nestにて。
 o-west、nest、7th floorと同じビルの3会場同時開催のイベント「渋谷巴里祭」のnestの部に出演。
 nestだけ見ても山田晃士&流浪の朝謡、ちんどんブラス金魚など個性派アーティストと共演。


  ヨタロウの部屋
    http://www.metrofarce.com/member_info/yotaro_ito.html
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2008年06月17日

<ライブレポ>角森隆浩『オゲレツ VS オスケベ』08.05.22 at 下北沢 lete

出演:角森隆浩(ヴォーカル、ウクレレ)
共演:アヲヤギツトミ

 セットリスト
01 世界一マズいラーメン屋
02 チャリティー銀行強盗
03 肉汁飛ばすよ
04 ルームメイト
05 久しぶりの口づけ
06 呪いの唄
07 私の息子は将来の横綱
08 対人恐怖症ブルース
09 お好み焼き大好き!
en 俺はプレイボーイだ

・オゲレツ VS オスケベ
 今回のライブは、アヲヤギツトミ(Ett、花電車)とのツーマン。
 企画は角森ライブの常連I女史によるもの。
 最近では音楽専門誌以外でも「主体性を発揮するリスナー」(なんだか偉そうだが、アーティストの想定した曲順のアルバム単位で聴くのではなく、iPod等で楽曲単位で好きな音楽を聴く、ということらしい。当たり前だ)なんてことが言われるようになったが、好きなアーティストを自らブッキングし、イベントを楽しむ、というリスナーの究極の主体性が発揮された記念すべき一夜となった。
 無闇なハイテンションでいつも通り独自の世界を爆走する角森(=オゲレツ)と、宴会芸的なエロネタを緩いムードで連発するアヲヤギ(=オスケベ)の、「下品」という共通のキーワードを持ちつつも、対照的な世界が展開された。
 余談だが、当日leteの入口の看板には「ogerts vs osukebe」と記載されていた。
 「ogerts」オゲーツ…?

・今夜は誰を?
 4月の独演会で披露されて以来、瞬く間にファンの心を鷲掴みにしたキラーチューン「呪いの唄」。
 今回は一番「魚屋」二番「キオスク」の、初演ヴァージョンと同一の歌詞で、ウクレレのネックをステージ隅に立てかけてあったアヲヤギ用の譜面台にぶつけながらの熱演。
 「刺身が食いたくて魚屋を呪う」「牛乳が飲みたくてキオスクのオバハン呪う」という歌詞は、低レベルだが決して下品ではないのが、これまでの角森の代表曲とは大きく異なるところ。(ただし歌唱法は十分キタナイ)

・今夜の名言
 「今夜は何デシリットル汗かくんでしょうか?」(20年以上ぶりに聞いたデシリットル!)
 「皆さんくらい貧乏な人間はいない、みんなのような飢饉で死にかけてる農民みたいな顔の人に会えて幸い」
 「leteで踊ってた人いますか?いたらあきらかに麻薬中毒ですね」(マスターシンタロウ氏に質問、もちろん「いない」)
 「幽鬼の様相を漂わせてるね」(病み上がりでやってきた常連ファンに向かっての暴言)

・Happiness Is A Warm 肉汁
 「肉汁とばすよ」のエンディングでは、即興で、ビートルズの「Happiness Is A Warm Gun」コーダ部分を導入。
 裏声のコーラスと「暑い、暑いちゅうねん」というシャウトで強引にビートルズ化。
 以前に披露された「カントリー痴漢電車」に続く、即興アレンジシリーズ、今度は何が飛び出すのだろう?

・最低体験
 アヲヤギの曲で、客を指名し最低の体験を語らせ、アヲヤギと他の客で「最低!」と突っ込む曲があり、指名された角森。

 親しくなった女性の家に宿泊することになったが、彼女の部屋はアルバイトという身分に不相応な豪華マンション。
 不審に思っていると彼女のバイトは女王様だったことが判明。
 試しにしばかれてみるが、Sの血が騒ぎ逆襲してしまった…。

 どこまでが実話で、どこまでがネタなのかまったく不明な見事なトークで大受け。




  オゲレツ365日-角森隆浩ブログ
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  下北沢 lete-こんなイベントは例外中の例外です
   http://www.h7.dion.ne.jp/〜lete/
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2008年06月05日

<CD>ヨタロウ with METROMANCE HOTEL『Porca Miseria!』08.06.25 release(ライブ会場にて先行販売中)

・7年目のファーストアルバム
 メトロファルスの伊藤ヨタロウのソロユニットのファーストアルバム。
 2001年以来コンスタントにライブ活動を行ってきたが、ようやくのCDリリース。
 今作は、昨年のHONZIの急逝を受けて制作された為、彼女が存命中のライブ音源を中心とした内容だが、個性派メンバーの躍動感あふれる演奏が堪能できる。
 本体メトロファルスよりもロック色が薄く、シャンソンやクレズマー等を消化し独自の解釈を施したヨーロピアンサウンドが魅力。
 ヴォーカルの個性は異なるが、nino trincaや山田晃士のファンには間違いなくお奨めできる。

・個性派メンバー
 メンバーは、伊藤ヨタロウ(ヴォーカル/メトロファルス)、HONZI(ヴァイオリン/nino trinca,福,メトロファルス,Fishmans)、Alan Patton(サックス,アコーディオン/nino trinca)、斉藤トオル(キーボード)、ホールズ(三線、ギター)、岩原"Abudul"智(チューバ/かぼちゃ商会)、Chaco(ドラム/epoch,nino trinca)と、nino trinca勢を中心とした超個性派が集合。
 ヨタロウ、ホンジ、アラン、ホールズ、アブドゥール、チャコと、カタカナ名が多いが、アラン以外は日本人。
 ゲストで川口義之(栗コーダーカルテット)、西村哲也(面影ラッキーホール)、エミ・エレオノーラ、ライオン・メリィ(メトロファルス)、光永巌(メトロファルス)、Bossi(メトロファルス)等ヨタロウ周辺人脈が多数参加。
 ミキシングやパーカッションでHONZIの夫「イデホフ」こと出射慎二も参加。

・ファーストにしてベスト
 詳細はオフィシャルサイトを見て頂くが、収録曲はライブでもほぼ必ず演奏される代表曲を網羅しており、ベスト盤といっても良い内容。
 初期に演奏されていた「Alabama Song(Kurt Weill)」「Accordion(Serge Gainsbourg)」「Dirty Old Town」等の名カバーや、80年代メトロファルスの代表曲「Navigator」のセルフカバーが収録されていないのは残念だ。
 ミュージカル「キレイ」のサントラに収録された、HONZI作の「海老痛」の本人ヴォーカルヴァージョンや、ヴァイオリンのみによる小品「Sonata II」(作曲もHONZI)、ケラリーノ・サンドロビッチの舞台に提供された「カメレオンリップ」など貴重な音源も収録。
 今作のソングライティングの中心はヨタロウだが、Alanによる新曲「レーニンの三輪車」がアメリカ人作らしからぬ無国籍な魅力を放っていたり、最近のライブではCHACOがepochの「あなたを自由にする方法」を披露したりと、今後はメンバーの活躍も期待できそうだ。

・ライブレコーディング
 と言うよりも記録音源からの選曲と言った方が正しそうだが、CHACOのブログでは「ライブ音原に手を加えて」という記述があったので、多少の音の追加があったようだ。
 「犬」ではイントロの犬の鳴きまねの音が割れてしまっているが、演奏の勢いを重視しての採用ということだろう。
 メトロファルスの2002年発売のライブ盤も、今作と同様に記録音源から選曲されたものだが、私のようにライブの演奏こそがバンドの本来の姿でスタジオワークで作り上げた世界は別物と考える者にとっては、最良のCD制作方法だ。
 King Crimsonの『Starless And Bible Black』の一部の収録曲が、ライブ音源を編集しダビングを施して制作されたものとして有名だが、ライブ演奏を重視するアーティストはこのような手法でのCD制作を積極的に行ってほしいものだ。

・あなたがここにいてほしい
 かつてJoy DivisionがIan Curtisを喪いNew Orderとして再出発する際、ファーストシングル「Ceremony」のレーベル面に「Wish You Were Here」とPink Floydの「あなたがここにいてほしい」の歌詞の一部を印刷したという。(記憶が曖昧なので間違いがあったらすいません)
 その故事に倣ってかはわからないが、この『ポルカ・ミゼリーア!』のCD盤面にはHONZIへのダイレクトなメッセージが印刷されている。
 このディスクの中には、ステージの上で縦横無尽の演奏を繰り広げるHONZIの姿が存分に記録されている。
 この先もずっと、本地陽子のいない世界を生きていかねばならない我々にとって、生涯側に置いておきたいアルバムだ。


  ヨタロウの部屋
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2008年05月26日

<ライブレポ>OCCURPOO 08.05.19 at 渋谷 7th floor

出演:田尾空子(ヴォーカル、ピアノ)
   奥村純(ドラム、ヴォーカル)
共演:ergo(from 旅団),tonic,吹ゞ(fubuki)

 セットリスト
1 Last Name
2 CAPPA
3 A MAN
4 GONE
5 DOOR
6 Perfect

・たった二人でヘヴィロック
 ピアノとドラムの2名だけで奏でる、切れ味鋭いヘヴィロックバンド。
 田尾のピアノはシンプルなリフやコードを繰り返し独特な空間を作り上げ、奥村のドラムはスマートかつ大音量(耳をヤられてトイレに逃げ込んだ知人あり)で人数の少なさを補って余りある芳醇な世界を構築。

・「7th floorは音が小さい」
 とは田尾の弁。
 彼らがほぼマンスリーで出演している新宿のMotionと比べて音圧が低い、とのことだが、ステージ後方の赤い幕や窓の外の夜景等の会場の雰囲気や、音の響きの美しさから、筆者は7th floorの方がオカープーには似合っていると思う。
 Motionではエレピだが、7th floorには、なによりグランドピアノがあり、ピアノ用のマイクを一旦ギター用のアンプにつなぐという、見た目に独特なセットも魅力大だ。

・テクノなドラマー
 奥村のドラムスタイルは、シンプルなセットだが手数は多く、それでいてクールな印象の独特なものだ。
 仙波清彦に師事していたという経歴を持つ彼だが、マシーンのように正確かつ高速なビートを大音量で叩き出す様は、非常にテクノ的と言える。
 その点を問うと「高橋幸宏の昔の映像を見て影響受けました」とのこと。
 現在「培養」中と称して活動を休止しているP-MODELにぜひ加入してもらいたいドラマーナンバーワンだ。

・全6曲28分、鉄壁の不動セット
 今年に入ってから見たオカープーのライブは、演奏曲はすべて同じで、演奏順も3曲目と4曲目が入れ替わった程度で、変化はない。
 この6曲でそのままミニアルバムとして発表しても何の問題もない、緩急自在のバラエティ豊かな曲と構成だ。
 現在Motionや7th floorを中心に活動している彼らだが、この音楽性は日本国内よりも、欧米のオルタナシーンの方が遥かに受け入れられ易いのではないかと思う。
 Sonic YouthやMy Bloody Valentin、King Crimsonなどの、知性派轟音バンドの系譜に連なるスーパーグループに今後も注目だ。


  オカープーHP
    http://members3.jcom.home.ne.jp/occurpoo/
  「egg」PV
    http://cliplife.jp/clip/?content_id=68kd2469
  BUNKE Records-CD購入&音源試聴はこちら
    http://www.bunke-records.com/BUNKE-Records.html
タグ:オカープー
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2008年05月19日

<ライブレポ>ヒトリコミ『ヒトリコミとか言ってるけど水谷紹』08.05.02 at 下北沢 440

出演:水谷紹(vo,g)、細井豊(pf)、かわいしのぶ(b)、鈴木広志(sax,flute)

 セットリスト
 第一部(1,2 ソロ、3〜8 with かわいしのぶ、9〜14 with 鈴木広志)
1 金曜日
2 だが愛する人よ
3 結婚なんかしない
4 固い握り
5 殺し屋の娘
6 クーラー
7 Yah! Boy
8 少年船長
9 少年と犬
10 What You Are
11 ガールフレンド
12 夫婦の歌
13 オープンクローズド
14 机の上のナイフ

 第二部(1,en2 ソロ、2〜7 with 細井豊、en1 セッション)
1 Dancing Queen(ABBAのカバー)
2 ノーモー
3 Brother John
4 ジェンカ
5 Please Freeze Me
6 Tectude
7 タイク
en1 オンブしてみる(On Blueberry Hill)
en2 夢も希望も

・一人コミ?非トリコミ?
 タイトルの通り水谷紹のソロライブ。
 「トリコミ」とアーティスト名に入ってはいるが、トリコミにはこだわらず全キャリアから満遍なく選曲された、レアなソロライブ。
 近年活発に活動している水谷のユニットは、ギター、ドラム、ベースのロックトリオのトリコミと、バリトンサックス11名の東京中低域だが、そこでは演奏されることの少ないメジャー時代のソロ作品が披露された貴重な機会になった。

・with かわいしのぶ
 トリコミでおなじみの曲を、デュオで演奏。
 かみ合っているところもあり、そうでない箇所も一部あり。
 パーカッシブなWhachoのドラムが不在な分、シンプルなサウンドでメロディの良さが際立つ。

・たてこもり犯は二人組
 即興で歌詞が毎回変わる「クーラー」は、トリコミのライブの見所の一つ。
 今回は水谷が突然、かわいにも要求をするように話を振る。
 戸惑いながらも、かわいが警察に要求した事項は以下の通り。
 「黒部クラスとは言わないけど、大町級のダムが欲しいわ」
 「京都に竹やぶ。美味しんぼみたいに料亭の主人を呼んで、筍の刺身をみんなに振る舞うの」

・with 鈴木広志
 東京中低域で活動を共にする鈴木とは、あえて普段滅多に演奏されることのないソロ作品を演奏。
 鈴木は、バリトンサックス、ソプラノサックス、フルートを演奏。
 芸大出身で、チャンチキトルネエドでは味のあるソロを聴かせる実力派プレイヤーの鈴木だが、今回のライブでは、東中のベースパートのようにパーカッション的な伴奏がメインの、実験的なアレンジ。

・with 細井豊
 今回のライブの最大の見せ場。
 第一部では乗り切れていない印象のあった水谷のヴォーカルだが、細井の躍動感あふれるピアノに乗せられるかのように、第二部では全開に。
 細井のニューオリンズ風の軽快なピアノと味のあるコーラスで、CDでは打込み中心の旧曲を斬新なアレンジで演奏。


  水谷紹 HP
   http://www.eqcd.net/
タグ:水谷紹
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2008年05月07日

<CD>平沢進『PHONON2550 LIVE』08.04.23 release

・普通のライブアルバム
 2007年3月に行われた平沢進のソロライブが、待望のCD化。
 このライブは、大スクリーンに映像を映しながらストーリーが進行し観客に選択肢を与え物語が分岐していくインタラクティブライブではなく、通常のワンマンライブ。

・「ライブハウスの臨場感」?
 とオフィシャルサイトには紹介されているが、ステージに上がったミュージシャンは平沢1名のみ。
 つまり、ボーカルと手弾きシンセ又はギター以外はすべて仕込の音源で、ライブならではのダイナミズムには乏しい。
 しかし、作り込まれたスタジオ録音音源よりもラフで勢いのあるボーカルとギターは、聴きごたえがある。
 KRAFTWERKのライブ盤もそうだが、シンセ手弾きパートの即興部分も、ディープなファンには気になるところだ。

・期待のリアレンジ
 平沢のライブで旧曲が演奏される場合、大胆な最新アレンジで印象が随分変わっていることが多い。
 収録曲の半数近くを、近年演奏されることの少ないP-MODEL凍結後のソロ活動初期の作品が占めているため、どのようなアレンジになっているか期待していたが、大胆な変更は「サイボーグ」(この曲だけソロではなく80年代P-MODELの作品)のみ。
 「サイボーグ」は1995年のライブ時のアレンジのマイナーチェンジで、07年の最新サウンドではないが、アジアンコーラスや壮大なストリングスなどでオリエンタルな装飾の施された最新バージョンは、本作の最大の目玉と言える。
 「嵐の海」は、オリジナルはベースがシンセベースに差し替えられテクノ度アップ。(とはいってもオリジナルも打ち込みだが)
 「死のない男」では印象的な和風の笛の音(これも当然打込みと思われるが)がイントロにフィーチャーされ、壮大な印象。
 「ハルディン・ホテル」は、イントロにエレピパートが追加、コーラスもキーが下げられている。
 「QUIT」では、ストリングスの音源が更新されているのか、より華麗な印象。エンディングの不気味な笑い声はカット。

・ライブ盤というよりベスト盤
 収録曲を見ると、『AURORA』『Sim City』『SIREN』以外の作品を除くすべての作品から選曲されている。
 90年代中期のアジアン路線の作品は04年の「Switched-On Lotus」で(これは大胆なリアレンジ作品)、近年活発なアニメ・ゲーム仕事は07年の「映像のための音楽」で、それぞれまとめて聴くことができるように、この『PHONON2550 LIVE』は、"平沢流プログレ"をコンセプトに纏めたベスト盤として聴くことができる。
 最近増えているとされる、アニメ音楽から入ってきた新規リスナーにディープな平沢ワールドを披露する、という「Young Person's Guide to」な作品として多いに意義のある作品だろう。
タグ:平沢進
posted by YOS at 10:46| Comment(0) | TrackBack(0) | ディスクレビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする