セットリスト
第一ステージ 昭和レトロ商品博物館特設張り出し浪漫ステージ
01 ブリキ・ロコモーション
02 蒲田行進曲
03 俺の知らない内田裕也は俺の知ってる宇宙の夕焼け
04 赤色エレジー
05 風立ちぬ
06 大道芸人
第二ステージ 3丁目の夕日ステージ
01 最后のダンスステップ
02 沢尻エリカぶるぅ。
03 赤色エレジー
04 佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど
05 山羊のミルクは獣くさいオイラの願いは照れくさい
アンコール
01 大寒町
あがた森魚の野外フリーライブ。
青梅宿アートフェスティバルのプログラムには「あがた森魚昭和の青春を歌う」とあり、初期の楽曲中心の演奏になると思いきや、新旧織り交ぜた選曲で、還暦を越えても現役感覚を失わないあがたの姿が確認できた好演。
「昭和レトロ商品博物館特設張り出し浪漫ステージ」と称された会場での第一ステージは、古民家を改造したような一目見て歴史を感じさせられる古い建物の二階ベランダでの演奏。
それだけでも十分に変わった状況なのだが、輪をかけて異常なのが客席の配置だ。
「昭和レトロ商品博物館」は旧青梅街道の道路ギリギリに建っており、ステージ前に観覧スペースは一切ない。
目を疑いつつ道路を見ると、向かい側の広場に椅子が並べられていて、乗用車やバスが普通に通行して行くのを挟んでステージを見る構造になっていたのだ。
世間の平均よりはライブを多く観ているであろう筆者もこの状況には驚いたが、開演時刻が近づくにつれ広くはない客席スペースが地元の人々を中心に立錐の余地も無い程に混み合い、通常のライブイベントとはまったく異なるムードにテンションが上がっていく。
一曲目「ブリキ・ロコモーション」は、暴走するあがたのイマジネーションを勢い任せにがなるヴァージンVSの代表曲で、早くも「昭和青春フォーク」とはかけ離れた世界だが、あがたもサポートメンバー達も今一歩乗り切れていない印象だ。
ニ曲目「蒲田行進曲」からはあがたの声も順調に出てきて、目の前を通り過ぎた観光バスに呼び掛けたり、
出演中のドラマ「妖怪人間ベム」の話でウケを取ったりしながら、リラックスムードの演奏が順調に続く。
野外フリーライブで一見さん相手にエンターテイナーぶり発揮していると思っていたら、大滝詠一作曲の松田聖子のカバー「風立ちぬ」では、アコースティックギターを下ろし、猫背で異様なアクションを取りつつ力んでいるような独特の間の取り方のあがた節ヴォーカルが全開。
それまでのエンターテイナーぶりが嘘の様に、楽曲の世界と一体化してしまったかのような異様なテンションのパフォーマンスは、観客を突き放し自分の世界に入り込んでいる自慰的なものでは決してなく、トランス状態を晒すことで観客とカタルシスを共有する絶妙のバランスのあがたならではのものだ。
第二ステージは「3丁目の夕日ステージ」、民家の前のある程度の広さの月極駐車場に十分な広さのステージと、「昭和レトロ館」に比べればずいぶんましだが、ステージ後方に普通の二階建て住宅がある、というのは十分異様な状況だ。
一曲目「最后のダンスステップ」では、ギターからシールドを抜きPAを無視して客席を練り歩いて熱唱、オープニングから一気に飛ばす。
第一ステージでは、異常な演奏環境や久しぶりのあがたとの共演に戸惑っているのか、所在なさげな苦笑いでアコーディオンやピアニカを演奏していたHARCOが、キーボードで大活躍。
特に「沢尻エリカぶるぅ。」では流麗なピアノで、ぶっきらぼうなメロディと常人には理解不能な独特の女性論を展開する名曲を盛り立てる。
本編ラスト「山羊のミルクは獣くさいオイラの願いは照れくさい」あたりから、それまでの好天と高温から黒雲が広がり冷たい風と、気候が激変。
そんな状況でも、あがたも観客もテンションはまったく落ちず、次の出演者が控えているにも拘わらず、アンコール「大寒町」を演奏。
青梅という地方都市にぴったりな名曲で大団円に。
あがた森魚のライブを観るのは約四年ぶりだったが、近作の地に足の着いた作風に通じる落ち着きと、時折見せる異様なテンションとのギャップは極めてスリリングで、一級のライブパフォーマーであることを再認識させられた。
あがた森魚 HP
http://www.agatamorio.com/
青梅宿アートフェスティバル HP
http://art-fes.omjk.jp/
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